古い家の窓をDIYで内窓にリフォームしている、ブログ管理人の木葉らんです。
家が古くなると、長年の湿気や雨漏りなどによって老朽化が進みます。
内窓を自分で取付けたいけど、窓枠が変形したりしていないか不安。
自分で窓枠の測定するのは自信がないからと、諦めないでください。
古い家こそ、内窓の効果は絶大なので、チャンスを逃さないで!
比較的新しい家は、家全体の断熱が整備されていて、外窓にはペアガラスが採用されていることが多いです。
いっぽう古い家になると、断熱材の入っていない家だったり、薄っぺらい外窓が歪んで隙間が生じていることも。
業者に頼めば窓枠の歪みも調整して、内窓を取付けてくれますが……その分費用も増えます。
あまり難しく考えないでください。
自分で窓枠の調整をすれば、内窓を取付けることができるようになります。
でもどうやって窓枠の調整をするの???
プロの職人さんのように、完璧でなくても内窓は取付けられますよ。
次の手順で試してみてください。
- 上下左右のたわみがどれくらいあるか確認する
- 調整材を準備する
- すき間をシーリング材で埋める
- 内窓サッシの戸車やクレセント錠の調整をする
- 市販で買える材料で試してみる
そもそも結露がひどく窓枠が腐っていたり欠けている場合は、内窓の重さで強度が心配になることもあります。
今の状態によっては窓枠自体を交換したり、補強する必要があるかもしれません。
古い家の窓枠の調整方法
1.上下左右のたわみを確認する
撓み(=たわみ)と歪み(=ゆがみ)はなんとなく似ていますが、区別できますか?
- 撓み(=たわみ)➜重さ(荷重)により構造材の断面が反り曲がってしまう
- 歪み(=ゆがみ)➜物体に外力が加わることで、形状や体積が変化する
どちらも似ているようで、違いますね……
手で触ってみたら凹んでカーブができていることを、反りと言ったりしますよね。
窓枠に使われている木は、乾燥すると水分用が減って収縮率の多い木表の方向に反ってきます。
鉄は重さ(荷重)によって起こりますが、木は自然現象でも撓み(=たわみ)があります。
本来の形が崩れて変形したり、捻じれた状態では歪み(=ゆがみ・ひずみ)を使います。
顔の表情で歪みを例えることは多いですが、扉が開けにくくなって歪んでいるなどと言ったりもします。
余談になってしまいましたが、窓枠が反り曲がっていたり歪みがあると内窓を入れた時に隙間が生じてしまいます。
せっかく断熱効果や防音効果が期待できるのに、隙間があると意味がありません。
そこで、まずは窓枠の状態を調べてみます。
準備するものは、水平器です。
窓台が真っ直ぐ=水平かどうかを確認して下さい。
気泡が中央に位置していればOKです。
縦枠も同様に、水平になっていれば問題ありません。
多少の誤差があっても範囲内であれば、内窓サッシの戸車調整でなんとかなります。
戸車調整については、後半の内容で解説しています。
どれくらいの範囲だったら、合格ラインなのかな?
YKKapのカタログに記載されているたわみの範囲内は、つぎのようになっています。
上下と縦のたわみは1.5mmの範囲であれば、問題ありません。
それ以上になると隙間ができてしまうので、窓台の補修が必要になってしまいます。
たわみ=反り曲がりの範囲が1.5mm以上ある場合、窓台の補修が必要です(図2)
窓枠の交差する、斜めの距離をL1とL2とします。
多少の歪みはあると思うので寸法差が3mm以内であれば範囲内ですが、それ以上ある場合は窓台の補修を検討します。
斜め交差した距離L1とL2の寸法差が3mm以上ある場合、窓台の補修が必要です(図3)
水平器で気泡が中央にきていない、たわみ幅が大きい、交差した寸法差が大きい窓台は、窓台の補修が必要になります。
家も窓も基礎が大事ですね。
2.調整材を準備する
YKKapのオプションので調整材を探すと、関連商品がいくつかありました。
カタログを参照すればすぐ見つかるので覗いてみてください。
室内/内窓のカタログです!
ホームセンターに行って、代用品を探してみてもいいと思います。
家の断熱材として使われるスタイロフォーム(青)やカネライトフォーム(白)は、ホームセンターで手に入ります。
硬い発泡スチロールをイメージしてみてください。
軽くて丈夫なのに、カッターで簡単に切れます。
自由に加工しやすいのでおすすめです。
1枚当たり巾910mmx長さ1820mm で値段は1,000円~、厚さによって値段が変わります。
サイズが畳一枚分の大きさになるので、かなり余ってしまいますが……
その半分のサイズで売っているところもあります。
3.すき間をシーリング材で埋める
シーリング材は、ホームセンターで手に入る防水・防カビ用などを使えば問題ありません。
たわみの調整をした後にできた、隙間を埋めるボンドだと思ってください。
シーリング材を充填すると、ドロッとした液体が垂れてしまうので、ヘラがあると便利です。
仕上がりをうまくするためには、マスキングテープが必須です。
不要な部分にはみ出る恐れがあるので、マスキングテープを使って完全に乾く前に剥がして使います。
剥がすタイミングにコツが必要なので、一度試してから使ってみてください。
シリコーンシーラントは押し出して使うので、コーキングガンが必要です。
セットで使います。
使い切れなかったときの保存には、替えノズルが必須です。
使い終わってそのままにしておくと、中のボンドが乾燥して固まるので、その後使えなくなります。
フィルム容器で、しぼり出すタイプもあります。こちらはコーキングガンが不要です。
上手に施工するには慣れも必要なので、試しにやってみてから実践してください。
4.内窓サッシの戸車やクレセント錠の調整をする
内窓が届いてから調整する方法です。
障子(ガラス)がスムーズに開閉できない、ガタツキを感じる場合に、プラスドライバーで建付け調整を行います。
ドライバーを右回転することで障子が上がり、左回転で下がります。
クレセント錠が掛けずらい、ガタツキを感じる場合は、クレセント調整します。
左右の調節と上下の調節は、受けと掛けのそれぞれで調整します。
まずは左右の調整はクレセント受けから行います。
最初にクレセント受けのカバーを外したら、ネジを緩めて左右調整します。
そして、上下の調整はクレセント錠で行います。
クレセント錠のカバーを外して、ネジを緩め上下調整します。
建付け調整で解決することが多いので、是非やってみてください。
5.市販で買える材料
隙間を埋めると言えば、一般的によく使われるのが隙間テープですよね。
スポンジ素材に両面テープがついていて、引き戸や襖などの戸あたりの緩衝材として使われます。
実はいろいろな種類の隙間テープがあるのですが、100円均一で売られているのは柔らかい素材で、クッション性があります。
気密性が高くなるほど硬く、クッション性はあまりありません。
調整材として利用するのは、気密性が高いほうです。
調整材に適した素材で自由にカットできるので、使い勝手が良く、安価で手に入ります。
幅広タイプなど選べる高密性の隙間テープで、たわみの調整をしてみてもいいと思います。
手軽にできる調整法ですが、注意点があります。
この手の隙間テープの粘着性はかなり強力で、いざ剥がそうとするとべっとりくっついてしまうものが多いです。
私は、丸1日かけてシール剥がしをした苦い経験があります。
後悔しないように、はがせるテープを使って貼っておくほうがいいかもしれません。
隙間テープで検索すると「3Mスコッチ」の商品が出てくるのですが、ゴム製で波型・V型・P型テープの製品があります。
デコボコ形状で完全に気密ができないので、調整材としては不向きではないかと思ったのですが……
形状がデコボコですが柔らかいゴム素材なので、重みがあればで潰れます。
例えば障子の閉まりが悪く、すき間ができてしまう場合にこれを挟んで鍵を閉めれば、密閉度は高くなります。
柔軟性があり防水できるパッキンの用途としての使い道は、悪くないかなと思います。
小さく出来た隙間は、粘土みたいに自由に形成できる隙間パテが使いやすいです。
まとめ
内窓を購入する前や後で窓枠の建付けが悪い場合は、今回紹介した方法で調整してみてください。
- 上下左右のたわみがどれくらいあるか確認する
- 調整材を準備する
- すき間をシーリング材で埋める
- 内窓サッシの戸車やクレセント錠の調整をする
- 市販で買える材料で試してみる
古い家の劣化で窓枠に撓み(=たわみ)ができた家や、ふかし枠を取付けた後に歪み(=ゆがみ・ひずみ)ができてしまうことがあります。
内窓を取付けたのに隙間があると、断熱や防音の効果が減ってしまうので、対策が必要です。
撓み/歪み | 材料 |
調整材を入れる | 調整シート・断熱材(スタイロフォームなど) |
シーリング材を入れる | コーキング剤 |
戸車・クレセント錠の調整 | プラスドライバー |
隙間 | 隙間テープ・戸あたりテープ・パテ |
調整は何とか自分でやれるものなので、試してみてください。
内窓を購入する前に窓台の調整をしておけば、窓枠の測定がしやすくなります。
失敗もありますが、DIYは自由に作り上げる楽しさがあります。
ぜひ、チャレンジしてみてください。