古い家の窓をDIYで内窓にリフォームしている、ブログ管理人の木葉らんです。
窓を閉めた時に、施錠し忘れることってありますよね?
気が付いたら「あぁ、この窓の鍵空いていた……」なんてことよくあると思います。
内窓を取付けると外窓と2回の施錠が必要になるので、余計に手間がかかってしまいます。
毎日開閉する窓だったら、負担も増えますよね。
そこで注目されている内窓が、閉めるだけで施錠ができるYKKapの戸先錠です。
左右の引手に鍵がついているので、窓を【開ける&開錠】と【閉める&施錠】が同時にできます。
とても便利でいいですよ、YKKapの特許技術です。
とても便利なこの戸先錠は誰もが欲しくなる仕様ですが、実は隠されたデメリットもあります。
私も内窓を購入する際にこのオプションをつけるか、とても迷ってしまいました。
今回はこの戸先錠の特徴について、解説していきます。
これから内窓を選ぶときの参考にしてください。
【特許取得】ワンタッチ施錠できるYKKapの戸先錠
「ワンタッチ施錠はすごくいいなぁ」と欲求に駆られていたのですが、次第にモヤッとした気持ちも芽生えました。
この戸先錠を使ったらどんな感じだろうかと、シュミレーションしてみたのです。
「あれ???でも、外に出たら閉め出されて困るんじゃないかな……」と思ったのです。
一人だったら、誰からも助けてもらえない……(恐怖)
最近では、玄関用の鍵で指紋認証や暗証番号で開閉できるオートロックが導入されています。
内窓にはそのような装置はついていないので、ワンタッチ施錠して外に出たら施錠されて入れなくなるのです。
ですが、その問題点はすぐに解決できました。
ワンタッチ施錠は窓タイプ
窓を【開ける&開錠】と【閉める&施錠】が同時にできる戸先錠は、腰窓などの人の出入りがないタイプの窓になります。
腰窓から外に出ることはありませんので、閉め出されることはないはずです。
実際にどんな感じで使うのか、動画で確認してみてください。
赤いラインが見えると未施錠であることが確認できるようになっています。
これだと安心して使えますね。
ですがYKKapの戸先錠は、掃き出し窓用にもオプションで導入することが可能です。
心配なのは、外にベランダがあって出入りが多い、掃き出し窓の場合ですよね……
自分で閉めたのに、閉め出しに遭ったら大変です。
レバーを押す施錠はテラスタイプ
人が出入りする掃き出し窓では、ワンタッチ施錠になっていません。
手元にあるカギをカチッと押すと施錠できる、いわゆる閉め出し防止の手動タイプです。
つまり、屋内側から閉めるときに手動で施錠できますが、屋外側から閉めた場合は鍵がかかりません。
中央部分に鍵があるクレセント錠に比べて、左右の手元にある引手部分で鍵がかけられるので、手を伸ばす必要はありません。
これで私の不安も解消できました!
同じ戸先錠でも、2タイプの仕様ですが非常に楽に施錠ができます。
- 人の出入りがない腰窓の窓タイプでは、「ワンタッチ施錠」ができます。
- 人の出入りがある掃き出し窓のテラスタイプでは、手元で「手動施錠」します。
そして、これはYKKapが特許を取得しているので、他のメーカーではこの仕様を使えません。
「この戸先錠、とっても便利そう!」と気持ちが高ぶったのですが……
気になる点も、また出てきました。
急いで決めるのは、ちょっと待ってくださいね。
クレセント錠(標準)がおすすめな理由
引き違い窓の標準装備としてクレセント錠がありますが、結局一般的な引っ掛けるタイプの鍵が選ばれることが多いです。
YKKapの戸先錠はとても魅力的なのに、それでもクレセント錠が選ばれているのは理由があります。
それは、窓の性能が関係しているようです。
デメリットが1点あった!
クレセント錠はA-4等級だけど、戸先錠はA-3等級になる
サッシの気密性能についてのJIS等級は、A-1、A-2、A-3、A-4、と4段階で定められています。
数値が大きくなるほど空気の出入りが少なくなり、気密性が良い等級になっています。
そして、気密性が良いと次のような効果が期待されます。
- 冷暖房における熱負担が少ない➜省エネ効果
- 内外部騒音における遮音性が良くなる➜静か
- 外部からの塵ホコリ・花粉などの吹込みが少ない➜快適環境
引き違い窓の気密性をみると、クレセント仕様ではA-4等級なのですが戸先錠仕様ではA-3等級になっています。
戸先錠は便利だけど、気密性が落ちてしまうのです
クレセント錠のほうが数値が大きく気密性は優れていて、JIS等級では最上の4等級です。
引き違い窓以外のFIX窓・内開き窓・開き窓テラスの気密性をみてみると、すべてA-3等級ですね。
引き違い窓はクレセント錠によって障子と障子をぐっと引き寄せて施錠するので、隙間が少なくなり気密性が高くなります。
A-3等級とA-4等級の気密性のランクが1つ違うと、どれくらいの違いがあるのか気になります。
目で確認するのは難しいので、数値で比較してみます。
気密性能の数値の比較
いま内窓を検討しているのは、どんなことに悩み=目的があるからですか?
内窓を取付ける理由としては、防音性・断熱性・気密性といった基本性能の向上が主な目的だと思います。
この中で気密性を取り上げてみると、A-3等級かA-4等級が必要等級になっています。
気密性を向上させたいと思うなら、A-3等級またはA-4等級で足りるという目安です。
気密性とは窓のすき間から出入りする空気の量になりますが、次の方法でA-3等級とA-4等級の違いを測定するとはおよそ4倍の差が生まれます。
風速4m/sの風が窓に向かって吹いているという条件で、面積1㎡の窓の1時間当たりの通気量を測定します
通気量➜ A-3等級は8㎥以下、A-4等級は2㎥以下、という結果でした
つまり、A-4等級のほうが通気量が少なく、気密性は約4倍です。
A-4等級のほうが隙間が少ないので、気密性が高いということですね。
話を戻すと……
クレセント錠はA-4等級ですが、戸先錠はA-3等級になっています。
気密性の向上が目的で最上等級を希望しているのであれば、必然的にクレセント錠を選択することになります。
ですが、A-3等級でも標準的な気密性に変わりはありません。
戸先錠を選択すれば開閉時の施錠が快適になるので、機能性のメリットがあるといえます。
気密性か機能性かの選択は、あなたにとっての重要度で折り合いをみつけて選択してください。
戸先錠を選んでも気密性は標準等級なので、失敗というわけではありませんよ。
まとめ
閉めるだけで施錠ができるYKKapの戸先錠は、施錠が楽なのでとても魅力的ですよね。
気密性のランクは標準のA-3等級になりますが、頻繁に開閉するような場所にとってはとても便利な機能です。
例えばキッチンやトイレの窓に内窓を取付けたい場合は戸先錠、寝室やリビングにはクレセント錠と、使い分けて選択するのがおすすめです。
戸先錠はオプションですが、追加料金も比較的お手頃な価格です。
気軽に試して、実感してみてください。
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