古い家の窓をDIYで内窓にリフォームしている、ブログ管理人の木葉らんです。
内窓に使われるガラスの種類は、その目的や要件によって異なりますが、一般的に以下のような種類があります。
内窓にするガラス選びで、単板ガラス・複層ガラス・Low-E複層ガラスが主に挙げられます。
今回は、YKKapプラマードUのLow-E複層ガラスに関して、色の見え方や性能について説明していきます。
Low-EとはLow Emissivity(低放射)の略のことで、放射を抑制する働きがあります。
特殊な金属膜のLow-E膜を、複層ガラスの内側にコーティングしています。
基本的な複層ガラスのもつ性能に加え、Low-E膜のある位置によって効果に違いがでます。
ガラス選びの際は、次の断熱タイプと遮熱タイプの2つの違いに気をつけて選ぶと、より快適に近づけます。
別の記事で単板ガラスと複層ガラスに関する内容をまとめたものがあります。
興味がありましたら、こちらも併せて参考にしてください。
Low-E複層ガラスの内窓
Low-E複層ガラスはガラスに色がついています。
断熱ライプは、無色に近い色のニュートラル・涼しげな印象のブルー・温かみを表現したブロンズの3色から選びます。
遮熱タイプはブルーのみです。
これらの色の違いで、見え方や性能値が異なります。
1.Low-E複層ガラス(断熱タイプ)
スタンダードの複層ガラスに増して、熱の伝わりを抑えるLow-E複層ガラス(断熱タイプ)があります。
Low-E金属膜を室内側に追加することで、断熱効果を向上します。
ポイントはこの金属膜が室内側にあることです。
冬の寒い時期にせっかく暖めた部屋の熱が流出しないように、また、夏の涼しいエアコンの温度を逃がさないように、室内エネルギーを保ちます。
複層ガラスにはなかった色が、Low-E複層ガラスにはあります。
無色に近いニュートラル・涼しげな色のブルー・ホッとする暖かみのあるブロンズの3つです。
ニュートラルだとほとんど違和感はありませんね。
色の違いによって、性能値が多少異なります。
具体的な数値と比較は、この後の快適性能で解説します。
2.Low-E複層ガラス(遮熱タイプ)
スタンダードの複層ガラスにLow-E金属膜を室外側に追加することで、遮熱機能が向上します。
Low-E金属膜は、断熱タイプとは反対側の室外側にコーティングしています。
太陽の日射や照り返しなどの熱の流入を遮断することで、室内の暑さを抑えます。
断熱タイプと違って、色はブルーのみです。
Low-E複層ガラスの快適性能
下の表は、「外窓のみ」「外窓+内窓(単板ガラス)」「外窓+内窓(複層ガラス)」「外窓+内窓(Low-E複層ガラス)」の快適性能の比較です。
※参照:マドリモ内窓プラマードU 商品カタログ P22
【快適性能】 | 紫外線カット率 | 【断熱】 熱貫流率 | 【断熱】 日射熱取得率 | 【防露】 結露発生の外気温 |
外窓のみ | 26.1% | 6.51w/㎡・K | 70% | 10℃ |
外窓+内窓:単板ガラス | ①45.4% ②99.9% | 3.23w/㎡・K | 58% | ガラス周辺部0℃ ガラス中央部-2℃ |
外窓+内窓:複層ガラス | 58.0% | 2.26w/㎡・K | 53% | ガラス周辺部-8℃ ガラス中央部-13℃ |
外窓+内窓:Low-E複層ガラス(断熱) | 76.1%(ニュートラル) 82.5%(ブルー) 64.2%(ブロンズ) | 1.71w/㎡・K | 43% 27% 27% | ガラス周辺部-12℃ ガラス中央部-30℃ |
外窓+内窓:Low-E複層ガラス(遮熱) | 82.5%(ブルー) | 1.71w/㎡・K | 27% | ガラス周辺部-12℃ ガラス中央部-30℃ |
一般的な単板ガラス(アルミサッシ)の外窓のみが設置されている家の快適性能が、上段の数値になります。
そして同じ条件の外窓に、単板ガラスと複層ガラス・Low-E複層ガラスの内窓を取付けた場合の数値が下に続いています。
それぞれの窓を比較した数値を見ていきましょう。
紫外線カット率(%)
複層ガラスの場合は58.0%なので、Low-E複層ガラスを使うとより紫外線カット率が高いです。
ガラスの色によって数値に差がありますが、中でもブルーは82.5%と一番効果があります。
断熱:熱貫流率(w/㎡・K)
内窓があるだけでも断熱効果は高くなりますが、単板ガラスや複層ガラスと比べてもLow-E複層ガラスの効果は歴然です。
夏の暑い時期にガラスに手を当てて触れると、その違いがよくわかります。
室外が暑くでもガラスはヒンヤリしています。
遮熱:日射熱取得率(%)
日射熱取得率をみると、外窓のみの場合に数値が70%もの日射熱が室内に通過することが分かります。
せっかく涼しくした部屋も、日中の日差しであっという間に暑くなるということです。
内窓をつけると軽減されますが、Low-E複層ガラスの色付きガラス(ブルー・ブロンズ)を選べばかなり期待できます。
色付きの中でもニュートラルは、無色に近い色なので数値に差が出ています。
メガネのサングラスと同じですね。
ここで注意点があります。
夏の日射熱は脅威になりますが、逆に寒い冬の場合はどうでしょう?
冬の日向ぼっこが好きなのに……
南側の窓がポカポカしていると、恵みの癒しになりますよね。
ブルー・ブロンズの日射熱取得率は27%で、ニュートラルが43%と差があります。
夏の日射熱取得を抑えつつ、冬の日射熱取得は取り入れたい南側の窓には、ニュートラルを選択する考えもあるということです。
防露:結露発生の外気温
結露が発生する外気温についてのデータです。
外窓のみだと外気温が10℃で結露が発生してしまい、冬になると毎日窓まわりの拭き掃除が必要になります。
内窓をつけると氷点下まで冷えなければ結露は発生しません。
北日本の寒い地域では、複層ガラスまたはLow-E複層ガラスの選択がおすすめです。
厳密にいうと、結露は外気温だけで発生するわけではありません。
室内外の気温差があることや、湿度が高いことも関係があります。
色選び:Low-E複層ガラス
Low-E複層ガラスは、ガラスの透明性を損なわずクリアな視界です。
ガラスの色によって性能値に差がありますが、どれも高性能であることには変わりありません。
総合的に判定すれば、ブルーを選択すれば一番高性能になります。
・紫外線カット率で一番性能が高い……ブルー82.5%
・日射熱取得率が低い……ブルー・ブロンズ27%
・熱貫流率……同じ性能
・結露発生の外気温……同じ性能
一般住宅で、色のついたガラスの家が多くなっていますよね。
色によって見え方や家の雰囲気もがらりと変わります。
また、南側の窓には冬に恵みの日射熱を取り入むために、無色に近いニュートラルを選択するのも良いでしょう。
性能を重視するのか家のデザインや部屋の表情に合わせるのか、最終的には個人の趣向になります。
まとめ
単板ガラス・複層ガラス・Low-E複層ガラスについて、それぞれの快適性能を比較しました。
内窓のガラス選びは、たくさん種類があるので最初は迷ってしまいます。
性能値だけを見ればLow-E複層ガラスがダントツで、「これを選んでおけば最高!」と言いたいところですが……
費用はどうなんだろう???
当然ですが、ランクに応じての価格になっているので高くなります。
いますぐ実際の費用がわかるので、比べてみてください。
【関連記事】➜【内窓費用の調べ方】じぶんで取付けた内窓の値段は実際いくら?
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世界全体が温暖化しているので、日本でも異常気象や自然災害などの異変を感じることが増えました。
避けようもない自然災害で日頃から備えておくべきことは、手薄になっている窓対策だと言えます。
私はこれまで3か所内窓を取付けましたが、すべてじぶんで取付けました。
じぶんでやれば材料費だけで安くできるので、少しづつ窓リフォームができます。
是非あなたもやってみてください。