古い家の窓をDIYで内窓にリフォームしている、ブログ管理人の木葉らんです。
「ふかし枠」って何かわかりますか?
内窓を購入すると、ガラスの障子以外に取付枠が付属されています。
まず取付枠を窓枠に固定しますが、窓枠が規定の幅に満たない場合は取付枠がはみ出てしまいます。
また壁の中に下地材が入っていない場合は、ねじが効かず不安定になります。
その結果、内窓の障子の重量に耐えられず、障子が脱落して大変危険な恐れがあります。
そこで窓枠の足りない部分を補強するのですが、追加する枠のことをふかし枠と言います。
YKKapプラマードUのオプション品にふかし枠がありますので、どんな部材になっているのか紹介していきますね。
私がじぶんで取付けた内窓は、自作のふかし枠をつくって設置しました。
ここで大事なのは、内窓をしっかり支えられる下地材が存在していること。
私の経験から、和室に障子がある部屋ならふかし枠が必要ないので、かんたんに内窓を取付けられました。
こちらもあわせて紹介したいと思います。
YKKapプラマードUのふかし枠と補強材
プラマードUの引き違い内窓では、窓台の取付け枠の幅が73mm以上必要です。
➜【注意】窓台の必要寸法は窓の種類によって異なります。例えばFIX窓は53mmとなっています。
壁の厚いお宅や出窓がある場合は、この幅はかんたんにクリアできるはずです。
奥行きのある出窓なら、もともと窓台が広くなっていますよね。
アパートやマンションの窓では、内窓の取付けに必要な寸法が足りていないことが多いようです。
壁が厚いと部屋が少し狭くなりますし、壁の厚みをつくると断熱効果や防音効果は高いのですが、施工費が高くなります。
このように実際の窓枠は狭いですよね。
引き違い窓の必要な窓枠は73mm以上なのですが、実寸は43mmしかありません。(アルミ枠は除く)
30mm不足していて、これでは内窓の取付枠がはみ出てしまい、障子を支えることはとてもできません。
こんな場合に、ふかし枠を取付けます。
ちなみに、ガラスの障子1枚の重さの目安は次の通りです。
- 単板ガラス・・・約10kg/ 1枚
- 複層ガラス・・・約16kg/ 1枚
引き違い窓は2枚あるので、倍の重量の負荷がかかるというわけです。
結構重いです……
では、ここからはYKKapプラマードUのふかし枠をみていきましょう。
1.ふかし枠|引き違い窓用
YKKapプラマードUのふかし枠はオプションで、3タイプから選ぶことができます。
- 25mmタイプ ➜ 確認事項あり
- 40mmタイプ ➜ 補強が必要
- 70mmタイプ ➜ 補強が必要
例えば先ほどの窓枠は30mm足りなかったので、40mmタイプのふかし枠が必要です。
ここで注意することがあります。
窓枠の状態が悪かったり下図のように補強がないと、障子が脱落する恐れがあります。
そのため、ふかし枠40mmと70mmの場合は、必ず補強が必要になります。
ふかし枠25mmは、下記の条件を満たす場合は補強なしでも構いません。
木部に傷み(腐朽・割れ)がなく、ねじがしっかり効く状態であることは言うまでもなく大事です。
- 窓枠の木部の厚みが20mm以上あること
- 木部に傷みがないこと
- 木部がしっかり固定されていてグラグラしないこと
- 下枠アングルねじの緩みがないこと
- 木部にねじが効く状態であること
- 障子を吊込んだときの垂下りが2mm以下であること
不安を感じる場合は、補強の選択をしておいたほうがいいかもしれません。
ふかし枠の補強材は、次のオプションとなっています。
2.補強ふかし枠|引き違い窓用
ふかし枠を取付けただけでは障子が落下する恐れがありますので、補強材も併せて取付けます。
YKKapプラマードUには3つの補強材があります。
- 補強角パイプ仕様
- ブラケット仕様
- 束仕様
正しく補強するためには、確認しておかなければならないことがあります。
補強材を固定する壁に、下地材があるか確認しなければなりません。
窓の周りには下地材が必ずありますので、重量のある窓でもしっかりと固定されています。
一般的な壁の中は、間柱がありその上に石膏ボードが貼られ、壁紙などで化粧がされています。
このように、壁の中の仕組みを理解して補強することが大事です。
窓の周りの下地材を、確認してみてください。
壁の中の下地探しには便利な道具があるので、利用してみてください。
【参考】➜下地探し どこ太 Basic35mm(マグネット付)
補強角パイプ仕様
補強角パイプ仕様は、ふかし枠の真下に角材を固定します。
下図のように、下地材に対して補強①と補強②でねじを効かせておきます。
【補強①】➜ ふかし枠と下地材を木ねじで固定し、ねじを効かせる
【補強②】➜ 補強材と下地材を木ねじで固定し、ねじを効かせる
ブラケット仕様
ブラケット仕様は、壁面に取付けて補強材を固定するものです。
ブラケットを取付ける壁には、間柱があることを確認する必要があります。
束仕様
束仕様は、床に接してふかし枠を支えます。
床のたわみがなく荷重を支えられること、また床にねじを効かせる必要があります。
カーテンレール対応枠
内窓を取付けると、これまでカーテンレールがあった場所が塞がれてしまう恐れがあります。
新たにカーテンレールを取付けるために、壁にねじを固定しないといけないのですが……
壁面に下地材が無い可能性があります。
カーテンは意外と重いし、毎日開閉するので強度がないと困りますよね。
YKKapプラマードUのカーテンレール対応枠は専用補強材が内蔵されており、ふかし枠のサイズに合わせてオプションで注文できます。
【注意】ふかし枠を注文➜カーテンレール対応枠を追加した場合、専用補強材が内蔵されたものが届きます。カーテンレール対応枠のみ単独で注文するものではありません。
ふかし枠との注文時に追加しておけば、新たに壁に穴を開ける必要がなくなります。
下記表は、カーテンレール対応枠の加算額の目安にしてください。
幅mm➜ | 550~1000 | 1001~1500 | 1501~2000 | 2001~3000 | 3001~4000 | 4001~5000 |
ふかし枠25mm | 1200円 | 1400円 | 1700円 | 2000円 | 2300円 | 2700円 |
ふかし枠40mm | 1500円 | 1800円 | 2100円 | 2500円 | 2900円 | 3400円 |
ふかし枠70mm | 1100円 | 1300円 | 1600円 | 1800円 | 2200円 | 2500円 |
自作のふかし枠の作り方
私がじぶんで取付けた内窓は、そもそもの目的が防音の為でした。
古い家なので壁はペラペラ、なんと断熱材も入っていないという有様でした。
そこで薄い壁材を剥がし、間柱を追加➜断熱材を入れて➜壁を厚くしました。
その上に防音シートを敷き、石膏ボードを貼っています。
窓台になる部分には、ちょうど1×4材(幅89mm)がぴたりと乗ります。
もう気が付いた人もいると思いますが……
窓枠の必要寸法は73mmなので、内窓の取付け枠を載せても89mmあるので余裕で満たしています。
1×4材は、SPF材というSpruce(えそ松)・Pine(松)・Fir(もみ)など常緑針葉樹の集成材です。
加工しやすく安価な木材で、ホームセンターでかんたんに手に入ります。
上下左右の4枠すべてを窓枠に貼り、新たな窓台を作成したというわけです。
壁の中に間柱が入っているので、ねじが効く位置を確認して固定しています。
今回は壁を厚くしましたが、要は1×4材がふかし枠の役目になっています。
ちなみに1×4材の厚みは約19mmです。
木材を購入するときは、出来るだけ傷みやたわみのない綺麗なものを選びましょう。
ふかし枠が要らない和室の掃き出し窓
私の家の掃き出し窓には、和紙の障子が取付けられています。
定期的に和紙の張り替えをするのは、意外と面倒でした。
障子の良い所は、カーテンの開閉が不要な点ですが……
和紙は破れやすいし色褪せたり汚れが目立つと、外から見るとみっともなくなります。
思い切って障子を卒業して、内窓にしたらスッキリしました。
障子を外すと、敷居が残ります。
掃き出し窓に内窓を取付けるときは、その敷居の上に取付枠を固定します。
こんな風に……
床に接しているので、腰窓のときのようにふかし枠は要りません。
ふかし枠が要らないので、取付けは楽です。
まとめ
内窓の障子は、1枚の重量が10kg以上あることなんて珍しくありません。
窓台が丈夫でないと、安全に内窓が取付けられません。
腰窓にふかし枠が必要な場合、障子の落下を防ぐために補強材も併せて取付けます。
YKKapプラマードUのオプションもありますが……
私のように壁を厚くする方法もあります。
その場合は、
しっかり下地材にねじを効かせて、強度が確保できなければ意味がありません。
もしふかし枠がちょっと大変そうだなと思ったら、掃き出し窓も検討してみてください。
ふかし枠が要らない和室の掃き出し窓のほうが、取付けが楽だと感じました。
これから内窓を検討するなら、まずは窓台を測定してみてください。
必要寸法が足りなくても諦めずに、ふかし枠と補強材の確保をすることを考えてください。
ぜひチャレンジしてみてくださいね。
業者に頼まなくても自分できる「内窓リフォーム」、ぜひやってみてください。